復習が長期記憶をつくる

これは、旧Locibookにおいて書かれた記事です。復習ロボットには適用されない内容の可能性があります

塾や学校の先生は、皆、復習しろ復習しろとしつこく言います。

おそらく、先生たちは、経験的に復習の大切さがわかっているのでしょう。それに、実際に復習する人の成績がよいのですから、復習が重要であるというのは正しいのでしょう。
しかしながら、復習の大切さの根拠を、つきつめて教えられた記憶がありません。なぜ、復習が重要なのでしょうか。

この記事では、エビングハウスの2つめの研究とその成果より、記憶の定着に復習が重要であるということを説明します。

復習後のエビングハウスの忘却曲線

エビングハウスは、エビングハウスの忘却曲線とはの実験と同様に、無意味な3文字アルファベット列のリストをおぼえ、初回、1日後、2日後、3日後…に覚えなおし、各ステップでの節約率をしらべました。横軸が日(day)で縦軸が節約率です。

節約率とは、初回の学習と比較し、覚えなおすのに軽減された手間のことです。節約率については、エビングハウスの忘却曲線とはで説明したので、の詳しい解説ははぶきます。記憶の定着度と理解してください。

エビングハウスの忘却曲線
エビングハウスの忘却曲線

緑色のラインが、復習後の忘却曲線です。

復習をかさねると、覚えなおす手間がどんどん小さくなる

この結果より、復習をしていない最初の忘却曲線とくらべて、覚えなおした内容の忘却曲線のカーブの傾きがあきらかにゆるくなっていることがわかります。そして、2日後、3日後とさらに覚えなおしていった場合、さらにその曲線の傾きが小さくなっていきます。

縦軸である節約率は、覚えなおすために軽減された手間のことなので、復習をかさねるにつれて、復習の手間がどんどん小さくなっていくことが見てとれます。

覚え直すための手間が小さくなるということは、たとえ意識的には思い出せなくても、潜在的には前に学習した記憶が残っていると考えられます。

また、回数をくりかえすことで傾きがさらに小さくなっていくことから、それらの記憶は復習ごとに積み重なっていくことがわかります。

補足: 意識的に思いだせる記憶を顕在記憶、意識的には思いだせないが潜在的には残っている記憶を潜在記憶といいます。復習により潜在記憶と顕在記憶の両方が積みかさなっていきます。

復習をかさねると、忘れにくくなる

忘却曲線のカーブがゆるくなるということは、時間がたっても内容を忘れないということです。つまり、復習回数をこなせばこなすほど、記憶した内容は忘れにくくなるのがわかります。

忘れにくい記憶とは長期記憶であり、テストや仕事に役だつ記憶である

忘れにくい記憶というのは、長期にのこる記憶ですから、いわゆる長期記憶のことです。よって、長期記憶は復習によってつくられることがわかります。

大学受験や司法試験などの難度のたかい試験では、膨大な量の知識を記憶しなければ、乗りこえられません。

多くのことを記憶するということは、学習自体に時間がかかるということです。長期記憶として記憶を残していかなければ、必要な情報を記憶している状態で試験にのぞめません。数日前に記憶した内容をすべて忘れているようでは、試験の合格などできません。

したがって、大学受験・資格試験などといったテストをパスするには、復習を何回もこなして、長期記憶で記憶をのこすことが必要になります。

よく使われる記憶が、よく残るのはあたりまえ

簡単にいってしまえば、よく使用される記憶は、つよく記憶に残るということです。しかし、考えてみれば、これはあたりまえのことです。

10年以上きいていないような、卒業した小学校の校歌を覚えている人はおおいでしょう。これは、過去に何度も何度も歌ってきたからです。

すでに引っ越した、昔住んでいた自分の家の住所を覚えている人もいるでしょう。これも、その場所にすんでいたときに、何度も書いたり口に出したりして使われてきたからです。

もちろん、これらの記憶を、いま使用することはありません。しかしながら、くりかえし使われてきたことで、強い長期記憶となったから、いまでも思い出せるのです。

まとめ

  1. 長く忘れないような長期記憶は、復習をくりかえすことでつくられる。
  2. この長期記憶こそ、試験や仕事に役立つ記憶である

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